ふしぎブログ

指圧師・ライター斎藤充博の日記

短歌とインスタグラム

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ここ数年間、短歌がおもしろいなと思ってちょこちょこ調べている。

最初は短歌の感性がデイリーポータルZの記事執筆に役立つかもしれない、と思っていた。日常のことを「共感」とか「発見」で語るところがよく似ている。短歌で歌われている内容をそのまま撮影したら記事にできるんじゃないの、ってのもある。短歌の雑誌を立ち読みするとわずか数ページの中にそういう共感とか驚きとかの感性がぎゅっとつめこまれていて、頭が胸焼けしそうになる。


短歌はじめました。 百万人の短歌入門 (角川ソフィア文庫) 短歌があるじゃないか。 一億人の短歌入門 (角川ソフィア文庫) 短歌ください (ダ・ヴィンチブックス) かんたん短歌の作り方―マスノ短歌教を信じますの?

プロじゃない人が作った短歌を集めた本を何冊か読んだ。最初はみんなすごいな~と思って読んでいたんだけれども、どこかひっかかる。短歌なんか知らないと思っていたはずなのに、こういうのどこかでみたことあるぞ、おれはこういう世界知っているぞ…。 いろいろ考えた結果「世界観がインスタグラム」みたいなのでは?と思うようになった。

発見と共感、そしてなによりもそれを語る「自分自身」の存在がすごく目立つところが似ている。これは短歌に特徴的なことで、俳句だとわりと自分自身を排除したような詩を作る傾向にあるそうだ。歌の上に○とか△とかを付けて評価しあったりするのもいいね!っぽい。


短歌は嫉妬とか憎悪みたいな生々しい負の感情歌ったものもよくある。でも、そういうことを歌っていても、なぜかその詠み手は魅力的に見える。こういう人間らしい細かい感情を拾えてすごいな~、こういう人と友達になったら楽しいだろうな~、と思わせる感じがある。というか、内容そのものよりもそっちの方が先に立っている。

逆に、胸糞悪くなるような、詠み手を嫌いになるようなやつがあったら積極的に読みたい。僕が知らないだけで(最近のはやりのやつみたいなのしかチェックしてないから)インスタグラムっぽくない短歌もたくさんあるんだろうな。

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