ふしぎブログ

指圧師・ライター斎藤充博の日記

映画『 パラサイト』がおもしろかったので『 韓国 行き過ぎた資本主義』を読んだ 

 

 映画『 パラサイト』がおもしろかったので読んでみた。

 

映画の通り、韓国における貧富の格差はもう本当に大変なことになっているようだ。この本にはデータと共にその実情が詳しく書かれている。書籍のあらすじから引いてみよう。

 

◎子供
小学5年で高校1年の数学を先行学習、1日に2、3軒の塾を回る。
幸福指数は、OECDの中で最下位クラス。

◎青年
文系の就職率56%。
厳しい経済状況のもと、人生の全てをあきらめ「N放世代」と呼ばれる。

◎中年
子供の教育費とリストラで、中年破綻のリスクに晒される。
平均退職年齢は男53歳、女48歳。

◎高齢者
社会保障が脆弱で、老人貧困率45%以上。
平均引退年齢の73歳まで、退職後、20年も非正規で働き続ける。

 

そこで文大統領はそれをやわらげるような政策を打った(労働者の最低時給を大幅にあげるなどが有名)けど、それが全然うまくいかなくて、さらに格差がひどいことになっているという。

 

日本も最近は「政治が上手くいってないよな~」と思うことが多い。ただこの本を読む限り現状、韓国ほど悪くはなってないなという感じ。

 

日本も韓国も、新自由主義、格差の増大、高齢化社会、思想の分断、デジタルデバイド、と問題の根っこはほぼ同じだ。もっとも、これは日本と韓国だけじゃなくて世界の先進国共通の問題かもしれないけど。

 

韓国というとつい、歴史の問題が頭に浮かんでしまう。しかしそれはひとまずおいておいて、「日本が直面しうる問題を先取りしている国」として見ると学ぶことが多そうだ。

 

なお、本書は『 パラサイト』の副読本としては最高だと思う。登場人物たちの「チキン屋をはじめたが上手く行かなった」みたいなセリフの細かいニュアンスがわかってくる。

 

日本もゆっくりだが確実に「パラサイト」みたいな世界に進んでいる。どこかでこの流れは食い止められるんだろうか。

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