ふしぎブログ

指圧師・ライター斎藤充博の日記

会社員から個人事業主になるひとに 2

前回の会社員から個人事業主になるひとにの続き。今回は知っておいた方がいい法律編です。

1.下請法

「会社員は雇用で守られているが、個人事業主は何からも守られていない」なんてことを言う人がよくいるけど、実際はそうではない。下請法という、個人事業主を守る法律がある。

いろいろな企業と仕事をしていると、下請法に違反した取引をしている企業はけっこうある。「それ、下請法に反しませんかね」と指摘すると是正してくれることが多い。指摘しても是正してくれないなら取引を切った方が良いかも。

下請法のざっくりとした内容については、この記事がわかりやすい(おれが書いた記事です)ので、合わせて読んでおくといい。

「下請法はスモールビジネスを守る"盾"のようなもの」マンガでわかるスモールビジネス用語 | スモビバ!

もう一つ、経済産業省が出しているフリーランスとの取引についてのガイドライン。これも読んでおいた方が良い。

「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)に対するパブリックコメントの結果及び同ガイドラインを取りまとめました (METI/経済産業省)

実際に僕は契約書にあきらかにこちらが不利になる条項を入れ込んでくる企業に対して、下請法やガイドラインに反していることを指摘し、契約内容を変えてもらったことがある。

なんとなく「大企業の言っていることだから個人は従わなくちゃいけない」なんて雰囲気に飲まれている人は多そうだけど、大企業の法務であっても間違えることは当然ある。

2.著作権

 著作権はとても強力な権利である。クリエイター系のフリーランスだったら絶対に知らなくてはいけない。けっこう複雑で難しいので、Webで調べるよりも、まずはこの本を一冊読んだ方がいい。

強力すぎて、企業は取引するときに著作権を制限したがる(著作権譲渡しないと取引しない、など)。それに応じるかどうかは自分次第だが、決して「著作権を譲渡するのは当たり前」と思わない方がいい。僕も保持できるようなら、保持する方向に話を進めていく。そうそううまくいかないケースの方が多いのだけど……。

 

著作権が強力、というケースの例をあげてみたい。これは僕が実際に聞いた話である。

ライターのAさんが、企業Bに取材して書いたWeb記事を企業Cに納品した。企業Cは自社のメディアにこの記事を掲載。この時にAは著作権をCに譲渡している。

しばらくして企業Bからこんな打診があった。「先日のWeb記事がとてもいいので、弊社で販促に使いたい。Webに載せたり、印刷してパンフレットに載せたい」

記事の著作権を持っているのは企業Cであり、Aさんは許可ができない。ところが、企業Cには事情があって、自社メディアを閉鎖することになってしまったのだ。そうすると企業Cにとって記事の著作権は特段必要のないものである。

そこでAはこのタイミングで企業Cに記事の著作権を、戻してもらえないかを交渉する。結果、当該記事の著作権を取り戻すことができた。

そしてAさんは企業Cに対して、記事の掲載許諾権を有料で設定する。Aさんは最初にCにもらった原稿料以上の金額をBから得たという。

 

Web記事は著作権の譲渡が前提になっているケースが多い。しかしタイミング次第で、このように狙っていけるのもなんだな、と思う。

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