AIとジョジョ
これからはAIが来て人類が大変なことになる!
そんな話を真に受けて、一般向けの人工知能の本を何冊か読んだ。何冊か読んでわかったのは「人工知能の解説には将棋がでがち」ということである。
人工知能の登場で、いかにプロ棋士や将棋ファンがびっくりしたか、AIは将棋を通してどのように進化したのか、ということが書いてあるのだ。
しかし僕は将棋がよくわからない。将棋のルールくらいしか知らない。もちろんAIのこともわからない。
つまり、僕からすると、わかんないやつと、わかんないやつが戦っている。
勝ったり、負けたり、単純にパワーで強くなったり、相手の出方を研究して不利になるように持って行ったり、戦いの概念そのものが変わっていったり、そういうことがある。
ただ、わかんないなりに、なにかすごいことが行われている……というのは、わかるのだ。これはジョジョの奇妙な冒険の読み味に似ているな、と思う。
ジョジョの敵って、強くなればなるほど、なんだかよくわからないのだ。それに対抗する主人公の戦い方もよくわからない。
止めた時間の中でナイフを投げるってなに? ピンチになると時間が巻き戻るってなに? 時間を加速するってなに?
こいつらに主人公はどうやって勝ったんだけっけ? 全部読んだはずなのに思い出せない。理解していないからだ。しかし、わからないのに、戦いの激しさというのは非常に伝わってくるのもがある。
やっぱりAIと将棋である。きっと僕はこのまま何冊本を読んでもAIも将棋も理解できないんだろうなあと思う。