個性的なウェブメディア5選
ウェブライターの仕事をしているので、メディアをよく読むようになる。そうすると、それぞれの特徴がわかってきて、けっこうおもしろい。
ぼくが寄稿したことのあるメディアから、個性的なものについて書いてみたい。
デイリーポータルZ
15年前からやっている老舗のおもしろサイト。人気のあるサイトなのでSNSやはてブで記事を見かけたことがある人も多いと思う。
でもそれだけじゃもったいなくて、古い時代の名作記事を掘り起こして読んでみると楽しい。スマートフォンもSNSもなかった時代のおもしろさは今とはやっぱり内容が違う。ちなみに過去ログは余裕で1万件以上あります(年間1000記事くらい出していて、15年続いているから)
好きな記事はこれ。どっちもスマホじゃなくてパソコンから観た方がいい。
みんなのごはん
ぐるなびがやっているグルメサイト。でもグルメに関係あるかどうかギリギリ、って感じの記事も多い。ちょっと前まで、女くどき飯やペンと箸など超大人気ウェブまんがが連載されていた。
本格的なグルメレポートならほそいさんとtakiさんの過去記事がおすすめ。どっちも記事を読んでいきたくなる。
ほそいあや カテゴリーの記事一覧 - ぐるなび みんなのごはん
Taki カテゴリーの記事一覧 - ぐるなび みんなのごはん
エキサイトレビュー
ドラマや書籍などのレビューが載っている。速報的な物ではなくて、内容を掘り下げているのが特徴。
ジブリなど、定番の人気映画がテレビ放映するタイミングで、とんでもなく重厚なレビューが載ることがある。はー、レビューっておもしろいんだなあーという感じ。こんなの無料で読んじゃっていいの?
今夜金曜ロードSHOW「平成狸合戦ぽんぽこ」「左」の高畑勲だから描ける真実、滅びのリアル - エキレビ!(1/4)
今夜金曜ロードSHOW「おもひでぽろぽろ」みんな同じだったねと安心するレトロブームを批判している - エキレビ!(1/3)
ねとらぼアンサー
「ねとらぼ」はネットの中のニュースを採り上げるサイトなんだけれども、派生サイトの「ねとらぼアンサー」は「みんなが知らなかったことに答えるサイト」。
「甲子園の土、その後どうしてますか?」 元甲子園球児たちに聞いてみた (1/3) - ねとらぼ
みたいに、「言われてみると疑問だな」ってやつから
「首相」と「大統領」ってどっちが偉いの? そもそも何が違うの? - ねとらぼ
みたいに、妙に勉強になるものまで、疑問に答える記事がたくさん載っている。パラパラ見ていて損はしない感じだ。
ぼくが好きなのは東大クイズ研究会の人の連載コラム。クイズマニアの視点の記事で、正直書いてあることの半分くらいしか理解できない。
でもそれがいい。すごみがひしひしと伝わってくる。
なぜクイズプレイヤーは2015年から誤答するようになったのか? またはクイズとテクノロジーのいとも奇妙なる蜜月 (1/3) - ねとらぼ
これとか、タイトルだけでビリビリくる。「なぜ」っていわれているけど、そんなこと考えたことないよ。
SUUMOタウン
「街」をからめたエッセイが載っているサイト。
基本的にその街に住んでいた人視点の文章なので「愛のあるディス」が時々出てくる。これがリアルで「本当にこの街が好きなんだな」ということがよくわかる。
住んでた街って愛憎入り交じっていて、きちんと語ろうとすると、褒めるだけじゃ終われないよね。
銀座の隣の「新富」で、東京のよそ者として生きる - SUUMOタウン
私だけが知っている、秘密の優しい「湯島」 - SUUMOタウン
ほんのり漂う物悲しさが心地よい。我が道をいく下町「尾久」 - SUUMOタウン
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今の時代、ほとんどの人が個別の記事や、気に入ったライターのSNS経由で記事を読んでいると思う。でもメディアの特徴を知っていると、おもしろさが増える。ウエブメディアが増えているからこそ、識別する価値がある。
もちろん他にも個性的なメディアっていろいろある。第2回も書こうかな。