短歌はウェブの企画を考えるのに使える
心が弱っているときに読む2大「ひろし」があって、それは穂村弘と森博嗣だ。穂村弘の短歌の解説本ももう何冊も読んでいて、同じ短歌の解説がが何度も出てくるのだけれど、読むと心がおちつく。
そんなわけで穂村弘の『ぼくの短歌ノート』を買ってしまった。
単純に短歌を鑑賞するのが好きなんだけれども、短歌モードは仕事にも使える。ウェブ記事のネタ出しだ。
短歌って短い文章の中に「共感」と「驚き」が入っていて、ウェブ企画にそのまんま使えるような物も多い。
たとえば石川啄木の有名な短歌で
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
というのがある。これ、穂村弘は何回もいろんなところで「聴きにゆく」というところがすごい、ふつう懐かしくなっても聴きに行かない、といっているんだけど、本当にそうだと思う。
で、これってこのままデイリーポータルZの記事にもなりそうなのだ。「バス亭で待っている老人たちは何をしゃべっているのか」みたいな。ありそうでしょ。実際に飲食店でカップルの会話を盗み聞きする記事がある。
他にもこういうのもデイリーポータルZの記事になりそうだ。
動物園に行くたび思い深まれる鶴は怒りているにあらずや
伊藤一彦
デイリーの記事だったら「怒っているように見える動物ランキング」かな。動物園に行って写真を撮りまくる記事。一位が鶴ね。実際に動物に怒るも何もなくて、自分の内面を重ね合わせているだけなので、自分語りの記事になるだろう。
そのまんまパクることはしないので、短歌のモチーフになっている要素を入れ替えるだけでも良い。(石川啄木とかだったらそのまんまパクっても怒られないと思うけど、ふしぎ)
もっというと、短歌を鑑賞ししたモードのままで企画を考えていると、いいのがたくさん出てくる。たぶん短歌を鑑賞すると心が強くなるのだろう。