自分素材のBL小説を書いた話
2年前の冬。僕は『BLって何だかわからないから自分を素材に作ってみた』という本を作った。
世の中で流行っている(らしい)BL。それを理解してみたくて、自らをそこに飛び込ませてみるという試みである。
制作過程で、BLについてだんだんとわかってきた。打ち上げをしたら同人誌の参加者達は最高の笑顔をしていた。読者からは『作ってくれてありがとう』とまでいわれた。
同人誌作りは本当につらいことの連続だった。二度とこんなことやるか! となんども思ったのだ。
しかし、終わってみたらどういうことだ。あのときの苦労がまるでなかったことのようになっている。ここちよい思い出だけがそこにあるのだ。
そんなわけで第2弾『BLを完全に理解したのでまた自分を素材に作ってみた』を制作した。基本的なコンセプトは前回と同じなのだが、一つ大きな変更点がある。今回は僕が自分を素材にしたBL小説を書いたのだ。
僕はまあまあ小説を読む方だと思う(年間10~20くらいは読んでいる、まあまあですよね)。その積み重ねが発揮される形である。
きっとおもしろい小説が書けるぞ……。と、気合い十分に入っていた。
ところが問題があった。日頃僕が読むのはミステリーとかホラーとか、そんな小説ばかりなのだ。死体が出てくることが多い。
さらに、僕は基本的に登場人物がひどい目にあえばあうほどおもしろいと思っている。小説ではないが好きな映画は『冷たい熱帯魚』である。あれはよかった。
そんな僕の嗜好の中に自分自身を送り込んだら、自分がたいそう悲惨な目にあってしまった。ちなみに僕の相手役は玉置さんなのだが、こちらはよりいっそう悲惨な目にあっている。
しかし僕としては小説の中のキャラクター(自分)が悲惨な目に遭って、大満足なのであった。
さて、ここまでは良いのだが、どうしても気がかりなことがある。
同人誌はポツポツ売れているのだが、僕の小説の評判があんまり耳に入ってこない。前作を作ったときにはあんなにみんな「よかった!」って言ってくれたのに。
ひょっとしたらあまりの内容にみんなドン引きしているのかもしれない。ドン引きしないでほしい。僕自身のサービス精神の結果としてあんなストーリーを書いてしまったんだ。
食堂のおばちゃんがサービスでご飯を大盛りにしてくれるみたいな話である。大盛りのご飯、うれしくなるでしょう?
そういえば島田紳助がそんな本を書いていた。
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)
- 作者: 島田紳助
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
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この本が出た当時、僕は会社勤めをしていて、上司に勧められて読んだのだった。島田紳助はそのあと逮捕されて、芸能界から消えてしまったが……。
いや、島田紳助の話はどうでもいいんだ。
読んでくださった方はぜひ感想をつぶやいていただけませんか。
「正直読むに耐えなかった」という感想だったらそれでもうれしい。「こんな大盛りご飯食べきれないよ~」って言われたら、食堂のおばちゃんもニッコリするだろう。そういうものである。
読んでいない人はBOOTHという素晴らしいサービスで購入できるので、今すぐ買ってみてください。
特設サイトはこちら。
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なにとぞなにとぞよろしくお願いします……。