ふしぎブログ

指圧師・ライター斎藤充博の日記

『シリウスの伝説』を読んだ

僕が小さいころ家に『シリウスの伝説』という本が置いてあった。この本を読もうとしていたんだけれども、難しくてなかなか読み進められない。

 

それでも田舎でヒマで、やることもないんで、何度か手に取ってみる。やっぱりむずかしい。そして全体的な本の雰囲気が恐ろしいようにも感じられる。結局、僕は理解できないまま、その本はどっかにいってしまった。

 

最近になって知ったのだが『シリウスの伝説』とはサンリオ(ハローキティとかを作っている会社)が1981年に公開したアニメ映画だ。原作を書いたのはサンリオの社長である。

 

興味が出てきたので古本を購入してみた。

 

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暗い表紙。

 

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本をめくると、なにやら超重たいことが書いてある……。いや、よく読むとこの文章は論理的に矛盾していますね。

 

『シリウスの伝説』の簡単に粗筋を書いてみると

 

まだこの世界が生まれる前。火の妖精の女王と、水の妖精の王は兄妹だった。また、互いに仲むつまじく愛し合う存在でもあった。しかし風の妖精がそれを見て嫉妬し、二人を仲違いさせてしまう。

 

これをきっかけに、火の妖精一族と水の妖精一族は激しく争い、多く犠牲者を出した。その後、2つの部族は離れて暮らすようになり、決して交わらないようにしている。

 

そんな時に、水の妖精の王子(シリウス)と、火の妖精の姫(マルタ)が偶然出会い、愛し合うことになる。しかし2人の部族は敵対している。

 

シリウスとマルタは、苦しみの末にかけおちをすることを決意した。90年に一度起こる、日食の夜。そのときメビウスの丘でクライン草(なんだこのネーミング)の花が咲くという。その胞子に飛び乗れば、火の妖精と水の妖精が幸せに暮らせる別の星へとたどり着けるというのだ。

 

日食の夜にマルタはメビウスの丘でシリウスを待つ。しかし、シリウスはやってこない。たどり着いたときには日食は終わっていた。

 

日食が終わった後にたどり着いたシリウスは、太陽の光で身体を焼かれて死亡してしまう。水の妖精は日光を浴びると死んでしまうのだ。

 

マルタはショックで水の中に入って自殺をする。火の妖精は水に入ると死んでしまうのだ。

 

2人の魂は水蒸気と共に北の星へと導かれていく。その星の名前を人々は「シリウス」と呼ぶようになった……。

 

これはなかなかの悲劇である。後に作者は『ロミオとジュリエット』を下敷きにしたと語っている。子供には絶対に理解できないだろう。

 

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 完全に「事後」みたいなカットがある。こういうの、子供は意味は分からないけれども確実になにかを感じ取りますよね。

 

かなり気合いの入ったアニメ映画なのだが、興行収入は振るわなかったようだ。これがヒットしていたら、サンリオも和製ディズニーみたいになれたのだろうか。

 

さて、その後に、アマゾンプライムビデオで「シリウスの伝説」動画を見つけた。映画を見られるのかなと思ったのだけれども、そうではない。サンリオピューロランドで行われた「シリウスの伝説をモチーフにしたキャラクターショー」を撮影したものである。

 

こんな暗い話をどうやってキャラクターショーにしたんだろう? と思いながら観ていたら、ダニエル(ハローキティの彼氏)が出てきて魔法を使い、全ての部族が仲良しになってしまった。伝説の否定である。大変にびっくりした。

 

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